庵主 藤井 薫の食見聞録
第6回続欧州編
ご挨拶
初春のお慶びを申し上げますと同時に、日頃のご厚情、ご愛顧、心より御礼申し上げます。清々しい新年を迎えておりますが、皆さまにはご健勝にお過ごしのことと存じます。
今回の食見聞録は、昨年10月から11月にかけて訪問したヨーロッパをご紹介致します。13日間をかけてブリュッセル、ミラノ、パリ、ノルウェイのオスロ、フランクフルト、ボンの合計6都市5ヵ国を巡る旅で、ブリュッセル、オスロ、ボンは初めて、ミラノ、パリ、フランクフルトは半年ぶりでした。
◆(ベルギー)ブリュッセル証券取引所
◆(フランス)パリ ノートルダム大聖堂
◆(フランス)パリ ノートルダム大聖堂
親しみを感じる国
昨年は、欧州を2回訪問し、ミラノ、パリ、フランクフルトは過去何度も訪問しているので、だんだんと外国へ来ているというよりも、国内を巡っているような親しみを感じるようになってきました。そして、何度も来るようになってくると、それぞれの国の国民性や、顔立ちの差が良く分かるようになりました。
典型的な違いはイタリア人は明るく陽気、時間にルーズで、勤勉ではなく、その正反対がドイツ人気質です。ドイツは日本と同じように、第二次世界大戦の敗戦国ですが、今ではEUで最も経済的に成功した国になっています。私の専門分野である料理で比較すると、イタリアが一番美味しく、次がフランス、ドイツ料理の順番になってきます。
◆(ノルウェイ)オスロの港
◆(ドイツ)本場のフランクフルト
◆テイクアウト用のヘルシーなサラダ麺
日本の博多「一風堂(パリ店)」
もともと、フランス料理が世界最高と言われてきたのですが、行くたびに感じるのは、観光客に有名なレストランの味が落ち、比較的小さい規模のフランス料理の店の方が、頑張って美味しい料理を提供しています。パリでは、日本の博多一風堂がオペラ座の近くに2店ほど出店していて、2号店で食べてみましたが、NY、ロンドン、パリのどの店に行っても、ぶれのない安定した味で国内と変わらない美味しいラーメンを提供しています。店舗内での調理が多いラーメン店の場合、常に同じような安定した味を提供するのが非常に難しいのですが、いつ食べても安定しているのは、素晴らしいと思います。
◆カフェのような外観がおしゃれなパリの一風堂
◆一風堂入り口
◆動物性食材ゼロ「茸香るベジ麺」
初めての訪問
今回初めて訪問したブリュッセル、オスロ、ボンは、10月末だというのに、完全に冬の状態で、特にオスロは、訪れた日の最低気温が1度、最高気温が10度という寒さでした。
◆ゆったり時が流れるオスロ市内
◆おしゃれなノルウェイのパトカー
◆電気自動車が多く走るオスロ市内
シンガポールラーメン学校の卒業生
オスロへは、毎月開催しているシンガポールのラーメン学校を卒業した生徒さんが、最近、ラーメン店を開店したので、様子を見に行ったのです。この方は、ロンドン育ちの35歳の英国人ですが、奥さまの仕事の都合で、オスロに来て、ここが気に入って、ラーメン店を1ヵ月あまり前に開店したのです。50席余りの店ですが、夕方4時からの開店で、夜7時までの3時間で200人ほどのお客さまが押しかけているそうです。
◆オスロの人気ラーメン店オーナー(麺学校の卒業生)
開店前に、4種類あるスープ類のチェックと、盛り付けた状態での味とバランスのチェックを行ないましたが、麺、スープともにレベルが高く、盛り付けもきれいで、開店1ヵ月あまりで、既に人気店になっている理由が分かります。私はもともと機械工学のエンジニアなので、料理においても勘で教えることは一切せずに、すべて数値に落とし込み、デジタル・クッキングの方式で教えているので、世界中どこから来られた生徒さんでも、難しいラーメンスープを完全にマスターできるのです。
◆味噌ラーメン
◆醤油ラーメン
パリでも、オスロでもラーメン1杯が日本円で約2千円ですが、この店で働いていた日本人の若い留学生の時給は2千5百円で、すべての物価が日本の2倍以上なのです。
◆最高に美味しい魚の酢漬けサンド
◆魚の酢漬けサンド
◆(ノルウェイ)海の幸たっぷりのサラダ
◆サーモンとオムレツ
◆魚介のスープ
今年も、このように世界を駆け巡りながら、常に麺と料理の研究を行ない、私たち自身の基準を高め、プロ中のプロとして恥ずかしくないような、高いレベルの商品だけをお届けすることを決意し、お約束致します。今後共よろしくお願い致します。
◆5人のシェフと共に